【歯科医療分析 11】HAPとTCP
歯科用材料の分析を進めて行きましょう。
第4回で、上位10社の時系列出願数を示しましたが、こちらでは上位10社の全体出願数を示しておきましょう。
そうすると、2015年からの全出願数は440件なのですが、上位10社等を見ても全体での比率は高くないですので、個々の大学等を見るよりも全体で見て行ったほうがよさそうです。
それでは、まずは無機材料を見てみましょう。
やはり、歯の材料である、HAPとTCPが多いんですね。
HAPは以下のように、歯と骨の成分だそうで、歯のエナメル質の97%、象牙質の70%を占めるそうです。
https://www.apagard.com/fordentists/hap/
検索すると、「歯科治療のためのハイドロキシアパタイト膜形成法の開発」などという論文も出てきます。TCPも以下のように骨の材料だそうです。
https://www.implant.ac/implant_html/care/more/isyoku_makoto.htm
それでは、特許のほうではどんな出願がされているのか直近のもので見てみましょう。
1 HAP
・ 特開2014-076387
コラーゲン/ヒドロキシアパタイト複合骨格及びその製造方法
・ 特開2014-065653
ヒドロキシアパタイト微粒子分散物およびその製造方法
・ 特開2013-203563
ヒドロキシアパタイト微粒子の製造方法、およびヒドロキシアパタイト微粒子、ならびにその分散物
2 TCP
・ 2014-524328
骨組織の孔を充填するためのインプラントおよびその使用方法
・ 2014-172794
リン酸カルシウム化合物
・ 2013-046799
迅速に硬化するリン酸カルシウムセメント
尚、HAPとTCPは以下となり、HAPはリン酸カルシウムにハイドロ基が付いたもので、TCPはαとβの種類はあるものの、HAPもTCPもリン酸カルシウム系のご親戚筋?となります。
(TCPのほうが親御さんと言ってもいいですが??)
HAP:Ca10(PO4)6(OH)2
TCP:Ca3(PO4)2